もりもり君084【事務服】

社長　こんにちは。
事務員の制服について相談します。

中川　はい、どんなことですか？

社長　制服は事務員だけです。
男性は背広です。

中川　よくあるパターンですね。

社長　一部の女性から制服を廃止して欲しいと言われています。
しかし、一部の女性からは廃止しないでと言われています。それで困っています。

中川　廃止して欲しい理由はなんですか？

社長　世の中の流れだというのです。
本音は事務服がダサイからのようです。

中川　社長は本屋に行きますか？

社長　ときどき。

中川　女性雑誌のコーナーをのぞいたことがありますか？驚くほどの種類があります。
たとえば40歳代向けだけの婚活雑誌とか、まつげだけをテーマにした雑誌とか。それが月刊あるいは週刊で。それほど、女性は細分化されているのです。

社長　へえ、そうなんですか。

中川　統計によると、女性は一日に鏡を20回以上見るそうです。男性は3回。

社長　そうなんですか。

中川　だからダサイ事務服は許せないのです。

社長　なるほど。でも、制服廃止を反対する事務員もいます。

中川　それは、自分で服を選ぶとなるとお金がかかるからです。私服だと、毎日同じ服を着ることはありえないそうです。

社長　へえ、私は1週間同じネクタイをしていますが。

中川　男は気にしないことも女性はとても気にするのです。だからこの問題は難しいのです。

社長　じゃあ、どうしたらいいですかね？

中川　古いやつだとお笑いでしょうが
（鶴田浩二風に　このしゃれも古くなりましたね）、制服賛成です。

社長　なぜですか？

中川　きりっと締まって見えます。
立派に見えます。

社長　ふーん。
では、制服を着たい人は支給することにしたらどうでしょう？

中川　そうすると、
外部の人は、私服の人は事務員ではないと勘違いする可能性もあります。

社長　そうですね。
ああ、めんどうになった。
どうしよう。

中川　社長はどう思っているのですか？

社長　制服代はバカにならないのです。
だから、正直なところ廃止したいのです。

中川　そうですか。
男性は制服を支給していないので、そのほうが公平でしょうね。

社長　廃止することにしましょうか？

中川　しましょうか？と聞かれても…。
社長のお考えでいいですよ。
廃止したいのであれば廃止すれば。

社長　でも、制服賛成者から反発がでそうです。

中川　それはそうでしょう。
でも、経営者である社長がどうお考えかです。従業員の意向は参考にするとしても、決定するのは社長です。

社長　ふーん。

中川　この問題は話し合うことです。

社長　どんなふうに？

中川　制服を廃止したい社長の意向を示すのです。
そのときに暫定処置を提示するのです。

社長　暫定処置といいますと？

中川　たとえば、今後1年間は制服の着用も可とする。私服でもOK。
ただし、1年以内であっても今後は新しい制服は支給しないと。
1年後は全員私服とすると。

社長　いわゆる、ソフトランディングですね。

中川　そうです。
いきなりやらないことです。

社長　わかりました。一度は乗り越えなければならないことですね。